TADASHI(@CHAMELEON_1105)です。
湊かなえさんといえば、一番有名なのはデビュー作であり、代表作でもある「告白」ではないでしょうか。
「告白」以外にも数々のドラマ化、映画化された作品を生み出し、今ではイヤミス(読んだ後に嫌な気分になるミステリー)という新しいジャンルを世に広めています。
今回、このイヤミスと呼ばれる湊かなえさんの作品をランキング付けして、10冊に厳選しました。
目次
作家・湊かなえとは?

湊かなえさんは、1973年広島県因島市生まれの小説作家です。武庫川女子大学家政学部被服学科を卒業して、アパレルメーカーに就職しました。
1年半勤務した後、青年海外協力隊で家庭科教師(栄養指導)としてトンガに2年間赴任し、帰国後は高校で家庭科の非常勤講師をしていました。
27歳で結婚し、28歳の時には第一子を出産され、子育てが落ち着いたころに「形に残せるものに挑戦したい」という思いから、川柳と脚本を書き始め、公募などに投稿していました。
その時、投稿した作品が第2回BS-i新人脚本賞(2005年)に佳作入選するものの、当時のプロデューサーから、「地方在住の新人がプロの脚本家を目指すのは難しい」と言われ、それをキッカケに脚本、小説で一番になることが目標になったそうです。
そして、2007年には「答えは、昼間の月」で創作ラジオドラマ大賞を受賞、「聖職者」で小説推理新人賞を受賞し、ついに小説家デビューを果たします。
そのデビュー作が、映画化もされたあの代表作「告白」でした。
それからは、ドラマ化や映画化されるような数々のヒット作を生み出し、湊かなえさんの作風からイヤミス(読んだ後に嫌な気分になるミステリー)というジャンルを世に広めました。
執筆前には、どんな脇役でも履歴書を作るという徹底した登場人物の性格作りが、湊かなえさんの特徴である緻密な構成を支えています。
おすすめ小説ランキングトップ10

詳しい内容を書くとネタバレになってしまうので、大まかなあらすじと内容を紹介していきます。
1位:リバース
この作品は、原作を読まずにドラマで見てしまったという方も多いのではありませんか?
原作とドラマでは大筋は同じですが、ところどころの設定や展開が少しずつ違います。
最後の終わり方もドラマではいくらか綺麗な話に作られていますが、原作は少し異なっていて、ドラマを見てから読んでも十分楽しめるような作品です。
「さすがイヤミス!」というような衝撃的なラスト2ページに期待です。
深瀬和久は平凡を絵に描いたようなサラリーマンで、趣味らしいことといえばコーヒーを飲むことだった。その縁で、越智美穂子という彼女もできてようやく自分の人生にも彩りが添えられる。と思った矢先、謎の告発文が彼女に送りつけられた。そこにはたった一行、『深瀬和久は人殺しだ』と書かれていた。深瀬を問い詰める美穂子。深瀬は懊悩する。ついに“あのこと”を話す時がきてしまったのか、と。
2位:Nのために
事件に関わる登場人物のイニシャルはみんな「N」で、それぞれの思惑が入り乱れる様子が見事に描かれた作品です。
人によって大切なものがあって、大切な人がいる、湊かなえさんの純愛とは何かというメッセージ性を感じられます。
この作品もドラマで見た方が多いかもしれませんが、原作を読むともっと深く楽しめるのではないでしょうか。
超高層マンション「スカイローズガーデン」の一室で、そこに住む野口夫妻の変死体が発見された。現場に居合わせたのは、20代の4人の男女。それぞれの証言は驚くべき真実を明らかにしていく。なぜ夫妻は死んだのか。それぞれが想いを寄せるNとは誰なのか。切なさに満ちた、著者初の純愛ミステリー。
3位:夜行観覧車
どんな幸せに見える家庭でも1歩間違えれば事件は起きてしまう、そんなリアルな世界観が読者の心を掴んでいるように感じます。
ただの高級住宅街で発生したミステリーではなく、家族や近所と付き合っていく上での葛藤など、女性ならではの視点から繰り広げられるシチュエーションに思わず感情移入してしまう作品です。
こちらもテレビドラマ化されています。
高級住宅地に住むエリート一家で起きたセンセーショナルな事件。遺されたこどもたちは、どのように生きていくのか。その家族と向かいに住む家族の視点から、事件の動機と真相が明らかになる。湊かなえが描く、衝撃の「家族」小説。
4位:少女
「人の死」をテーマとして、2人の高校生少女の視点が入れ替わりながら進められていく物語です。
揺れ動く女子高生の心情を描きながら、所々に散りばめられた伏線が後半に回収されていくので、スッキリ感さえも与えられます。
青春小説要素とミステリー小説要素のどちらも十分含まれていて面白い作品です。
2016年に映画化もされています。
親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。自殺を考えたことのある敦子は、死体を見たら、死を悟ることができ、強い自分になれるのではないかと考える。ふたりとも相手には告げずに、それぞれ老人ホームと小児科病棟へボランティアに行く。死の瞬間に立ち合うために―。高校2年の少女たちの衝撃的な夏休みを描く長編ミステリー。
5位:ユートピア
「善意は、悪意より恐ろしい」この作品のキャッチコピーです。
この作品の登場人物は、基本的に善意で行動をしています。ユートピアは、この善意の行きつく果てを描いているからこそ、人間の本性や心の奥に潜む感情を感じることができます。
読み終わったときには、このタイトルの皮肉さを感じることでしょう。
地方の商店街に古くから続く仏具店の嫁・菜々子と、夫の転勤がきっかけで社宅住まいをしている妻・光稀、移住してきた陶芸家・すみれ。 美しい海辺の町で、立場の違う3人の女性たちが出会う。 「誰かのために役に立ちたい」という思いを抱え、それぞれの理想郷を探すが―。
6位:豆の上で眠る
「本物とは何だろう。」と考えさせられる作品です。
湊かなえさんらしく読んだ後味は悪い終わり方ですが、ただ後味が悪いだけでなく読者に考えさせるようなメッセージ性のある小説です。
ミステリー要素は低いかもしれませんが、一つの小説として読むととても面白いです。
行方不明になった姉。真偽の境界線から、逃れられない妹―。あなたの「価値観」を激しく揺さぶる、究極の謎。私だけが、間違っているの?13年前に起こった姉の失踪事件。大学生になった今でも、妹の心には「違和感」が残り続けていた。押さえつけても亀裂から溢れ出てくる記憶。そして、訊ねられない問い。戻ってきてくれて、とてもうれしい。だけど――ねえ、お姉ちゃん。あなたは本当に、本物の、万佑子ちゃんですか?待望の長編、刊行。
7位:白ゆき姫殺人事件
メディアやSNSを使って描かれているところが現代的で、SNSの使い方や情報の捉え方を考えさせられる作品です。
巻末には本編を読み進める上で必要な資料として、SNSのコメントや週刊誌の記事が掲載されていて、その仕掛けが新しく独特で面白いです。
映画化もされている人気の一冊です。
化粧品会社の美人社員が黒こげの遺体で発見された。ひょんなことから事件の糸口を掴んだ週刊誌のフリー記者、赤星は独自に調査を始める。人々への聞き込みの結果、浮かび上がってきたのは行方不明になった被害者の同僚。ネット上では憶測が飛び交い、週刊誌報道は過熱する一方、匿名という名の皮をかぶった悪意と集団心理。噂話の矛先は一体誰に刃を向けるのか。傑作長編ミステリー。
8位:贖罪
幼い頃、少女殺害事件に巻き込まれた4人の女性が被害者の母から浴びせられた強烈な言葉をキッカケに、その後の人生で罪を犯してしまうというストーリーです。
「これぞ、湊かなえさん」という感じで、イヤミスワールドが全開の作品です。
登場人物の心情がゾワッとするような表現で描かれているのが特徴的で、湊かなえさんの独特な世界観に浸りたい方にはとてもおすすめです。
取り柄と言えるのはきれいな空気、夕方六時には「グリーンスリーブス」のメロディ。そんな穏やかな田舎町で起きた、惨たらしい美少女殺害事件。犯人と目される男の顔をどうしても思い出せない四人の少女たちに投げつけられた激情の言葉が、彼女たちの運命を大きく狂わせることになる。これで約束は、果たせたことになるのでしょうか。悲劇の連鎖の中で「罪」と「贖罪」の意味を問う、迫真の連作ミステリー。本屋大賞受賞後第一作。
9位:ポイズンドーター・ホーリーマザー
親は子供に多大な影響を与える存在であるということや親目線と子目線ではまったく見ている景色が違うということを感じられる作品です。
いくら親であっても、他人であることに違いはないので、100%理解することは不可能だけれど、理解しようという気持ちは忘れてはいけないと改めて気づかされると思います。
子供を持つ親が読むと、より突き刺さるような内容です。
女優の藤吉弓香は、故郷で開催される同窓会の誘いを断った。母親に会いたくないのだ。中学生の頃から、自分を思うようにコントロールしようとする母親が原因の頭痛に悩まされてきた。同じ苦しみを抱えた親友からの説得もあって悩んだのだが―。そんな折、「毒親」をテーマにしたトーク番組への出演依頼が届く(「ポイズンドーター」)。呆然、驚愕、爽快、感動。さまざまに感情を揺さぶられる圧巻の傑作集。
10位:山女日記
イヤミスな印象の湊かなえさんとは異なり、登山を通して人と向き合ったり、人生を考えていくような作品で、読んだ後は爽快な気分になる小説です。
山を登る女性が主人公の短編集であり、章ごとにリレーのように主人公が変わっていくのですが、それぞれの登場人物が少しずつ繋がっているというのが面白い所です。
どの女性にもどこか共感できる部分があるので、親近感がわいて読みやすいです。
私の選択は、間違っていたのですか。真面目に、正直に、懸命に生きてきたのに―。誰にも言えない苦い思いを抱いて、女たちは、1歩1歩、頂きを目指す。新しい景色が、小さな答えをくれる。感動の連作長篇。
まとめ

いかがでしたか?
今回は、湊かなえさんの「告白」以外の小説を紹介させていただきました。
ドラマ化や映画化されていて有名なものも多くあり、すでに読んだことがある作品もあったかもしれません。
「初めてこの作品を知った。」「この小説読んでみたい。」と思った方は、ぜひこの機会に読んでみて下さい。
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