TADASHI(@CHAMELEON_1105)です。
現在、1000以上の種類があると言われている仮想通貨の中でも、最も世の中に広まっている仮想通貨といえばビットコインではないでしょうか。
時価総額は8兆円を超えています。(2017年9月時点)しかし、そのビットコインにも迫り、追い越す勢いもある仮想通貨が登場しています。
それが、「イーサリアム」です。
今回は価値が急上昇しているイーサリアムについて、ビットコインとの違いを絡めながら説明していきます。
(ビットコインの仕組みを理解している前提なので、ビットコインの仕組みが分からない方はこちらを先に読んで下さい。)→『ビットコインの仕組み|分かりやすく要点をまとめてみた』
イーサリアムとは

まず言っておかなければならないのは、イーサリアムという名称は仮想通貨の名称ではありません。
つまり、イーサリアムというのはシステムの名称であって、通貨の名称ではないということです。
では、イーサリアムは仮想通貨じゃないのかと思うかもしれませんが、通貨の名称・単位を「イーサ(ETH)」とした立派な仮想通貨です。
イーサリアムというシステムの中で、イーサという通貨を扱っているというイメージです。
ビットコインの場合は、ビットコインというシステムの中でビットコインという通貨を扱っているので、少しややこしく感じるかもしれませんね。
ネットワークシステム | 通貨 |
ビットコイン | ビットコイン(BTC) |
イーサリアム | イーサ(ETH) |
仮想通貨での位置づけ
イーサリアムは時価総額が4兆円を超えていて(2017年9月)、それは仮想通貨の中でビットコインに次ぐ2番目の価値を生み出しています。
ビットコインは仮想通貨バージョン1.0時代のもの、その他の仮想通貨は全て(イーサリアムも含む)バージョン2.0と表現されることがあります。
この違いは、仮想通貨にお金としての価値だけを持たせるか(バージョン1.0)、お金としての価値と共に他の価値も持たせるか(バージョン2.0)の違いです。
つまり、ビットコインは現金の代わりの便利な通貨であるのに対し、イーサリアムをはじめとするその他の仮想通貨は、現金の代わりの便利な通貨であることにプラスして、付加価値がつけられているということです。
イーサリアムの場合は、スマートコントラクトという付加価値がつけられていて、これがとても便利な機能であることによりビットコインを追い抜くのではないかと言われています。
スマートコントラクトについては、後ほど詳しく説明していきます。
ここでは、イーサリアムは現金の代わりになる機能にプラスして付加価値がついたものというくらいに理解しておきましょう。
イーサリアムのこれまで
イーサリアムの構想は、2013年にヴィタリック・ブリテン氏という人物によって始められ、2015年7月に販売を開始しました。(イーサリアムは当時、1ETH=300円で売られていたそうです。)
そして、2015年11月にはマイクロソフトがイーサリアムのシステムを用いたブロックチェーンツール導入の発表を行い、仮想通貨の中でも一躍注目を浴びました。
2017年、日本ではトヨタや東京三菱UFJなどの大手企業がイーサリアム技術の活用を目指す団体に加入し、世界的な企業も続々と加入しました。
そのことにより、イーサリアムは販売から約2年ほどでありながらも大幅な値上げを続け、さらには2017年6月にロシアのプーチン氏がイーサリアムを承認したことで、一時期1ETH=47000円まで上昇しました。
販売当初と比べると、2年間で約150倍になっていますよね。
このようにイーサリアムという仮想通貨の背景には強いバック(世界規模の企業など)が存在するといってもいいと思います。
イーサリアムの特徴

イーサリアムは現金の代わりになる機能にプラスして、付加価値がついているという話を先ほどしました。
このイーサリアムに付加価値をつけることを可能にしているのは、「チューリング完全」なプログラミング言語を実装しているからです。
つまり簡単にいうと、誰でもプログラムを書き加えれるということです。
誰でもプログラムを書き加えることができることより、イーサリアムのシステムを応用し、付加価値を付け加えることが可能というわけです。
ビットコインとの違いを絡めて、見ていきましょう。
ビットコインとの違い
イーサリアムは誰でもプログラムを書き加えれるのに対して、ビットコインはそうではありません。
ビットコインはセキュリティ上の理由でかなり制限されたものとなっているため、書き加えてシステムを応用することができず、その理由からビットコインには付加価値をつけることができないのです。
また、ビットコインは取引データによってブロックチェーンのほとんどが埋め尽くされています。
それに対して、イーサリアムは取引データ以外にも何かを記述できるスペースが残されており、そのスペースに記述した内容がイーサリアムの付加価値(スマートコントラクト)となります。
(ブロックチェーンの意味が分からない方はこちらを先に読んだ下さい。)→ビットコインの仕組み|分かりやすく要点をまとめてみた
イーサリアムの付加価値とは

それではいよいよイーサリアムの付加価値であるスマートコントラクトについて、機能面・安全面の評価までを説明していきます。
スマートコントラクト
スマートコントラクトを直訳すると「賢い契約」という意味を持ちます。
直訳せずに具体的にいうと、「ブロックチェーン上に取引データと一緒に契約も残すことができる」というのがスマートコントラクトです。
「一緒に契約を残すことができる」ところがここまでに話してきた、お金として以外の付加価値ですね。
では、簡単な例を挙げてスマートコントラクトを分かりやすく理解しましょう。
例
A君が友達のB君に1万円借りるという場合で考えてみましょう。
A君とB君が一緒にいる時に、何らかの状況でA君が「1万円足りないから貸して!今月中には返すから!」と言ったとします。
そう言われた優しいB君は1万円を貸します。ただ、これは口約束であって絶対にA君が今月中に1万円を返してくれるかどうかは分かりません。
来月になるかもしれないし、もしかしたらB君は返してもらえないかもしれません。
こういった状況の時、スマートコントラクトは役に立ちます。(簡単な一例ですが)
スマートコントラクトは取引の情報と共に契約も残してくれるので、B君がA君に1万円貸す時、「今月中に返済」という契約も一緒に残せます。
しかも、これはブロックチェーンに記録されるので、契約を改ざんされることも消滅させることもできません。
ビットコインと同じで、P2Pネットワークという分散管理やブロックチェーンに守られているので、1万円を今月中に返す約束は絶対に果たされるようになります。
(P2Pネットワークが分からない方もこちらを先に読んでから読み進めてください。)→ビットコインの仕組み|分かりやすく要点をまとめてみた
機能面の評価
スマートコントラクトという付加価値によって、取引データと共に絶対的な契約を残すことができるということが分かったと思います。
上の例はとても単純な例であって、イーサリアムにはもっと複雑な条件をつけることができ、大きな可能性を秘めています。
証券会社や銀行、不動産の契約など、様々な用途でイーサリアムのシステムを応用して導入することも可能になり、契約時の仲介業者は必要がなくなるかもしれません。
ただ、現時点(2017年10月)ではイーサリアムの安全面において十分でないと言われているのも事実です。
安全面の評価
ビットコインは取引データによってブロックチェーンのほとんどを埋められていて、イーサリアムには何かを記述できるスペースが残されているという話をしましたよね。
そのおかげで、スマートコントラクトという付加価値を生み出せるのがイーサリアムの最大の特徴なのですが、利点であると共に弱点ともいえるのです。
つまり、ブロックチェーンの記述できるスペースがあることによって、攻撃を受けることがあるということです。
実際に攻撃を受けたこともあり、それによりシステムの修正を行い、「イーサリアムクラシック」という異なる仮想通貨も生み出しました。
しかし、安全面が十分でないのは現時点のことで、時間と共にどんどん改善されていくだろうと思います。
というのも、イーサリアムはこれから大型アップデートの予定がいくつかすでに決まっているからです。
このアップデートが上手くいけば、安全面も改善され今までよりも広く普及していく仮想通貨になるのではないでしょうか。
将来性はどうなのか

イーサリアム技術の活用を目指す団体(会社の集まり)は2017年2月に発足し、当初はわずか30社でしたが、半年余りで約150社まで増えています。
しかも、トヨタ・JPモルガン・マイクロソフトなど世界規模の会社も参加しており、この半年余りでイーサリアムの規模が拡大して価値が急上昇していることは事実です。
イーサリアム技術の使い方次第では、ビットコインより優れているのでビットコインの価値を追い抜く日も遠くないかもしれません。
これからのイーサリアムの動向に注目です。
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